2016年9月7日水曜日

プロパティマネジメント(賃貸経営管理)との出会い



米山:「田中さん、鹿児島のキャップレートはどのくらいですか?」
僕:「????」

僕:「すみません、米山さんって、帽子がそんなに好きなんですか?」
米山:「・・・・ワッハハハハッハハハハ(涙)。めちゃくちゃ面白いボケですね。」


今から10年ほど前、忘れもしません。
この恥ずかしい大ボケがあって今の僕があります。

この会話は外資系大手不動産会社の担当者さんとの電話でのやりとりです。
恥ずかしさのあまり頭が真っ白になって、床に倒れてしまうのではないかと思った
のを今でもよく憶えています。

キャップレートとは、日本語で言うと『還元利回り』といいます。
不動産から生み出される純収益から不動産価格を求める際に用いられる利回りのことで、

「純収益÷キャップレート=不動産価格」

として表されます。

キャップ(cap)は、『キャピタリゼーション=資本』の略で、決して『帽子』ではありません。
米山さんは、鹿児島の収益物件の売買相場を知りたかったのです。

当時、僕が担当していた管理物件を外資系大手不動産会社が購入して、継続して管理を
担当することになりました。米山さん(仮称)はその担当者でした。
これが、僕のプロパティマネジメント(不動産経営管理)という概念との出会いです。

それからというもの
AM・PM・BM・ベンダー・NOI・レバレッジ、、、米山さんの口から色々な英語が飛び出す度に、
「すみません、、、それって何ですか?」
僕は米山さんの話を止めては、意味を教えてもらいました。

「帽子」という大爆笑からのスタートが、米山さんに僕のレベルを充分に理解させたのでしょう。
米山さんはひとつひとつ、丁寧に教えてくれました。

そして僕は次第に、「米山さんに認めてもらいたい、米山さんのレベルに追いつきたいの一心で
プロパティマネジメントを自分のものにしたい」と考えるようになったのです。

実際、このプロパティマネジメント(PM)という考え方で仕事をすると、今までの賃貸管理の
仕事が何倍も楽しくなりました。

アメリカで発祥したこのPMという考え方は、従来の日本の賃貸管理とは全く異なります。

○従来の賃貸管理=家主さんの煩わしいことを代行する仕事
(クレーム対応・家賃回収・滞納督促・敷金精算・入居募集など)
○プロパティマネジメント=家主さんから預かった不動産の価値を最大化させること

そもそものミッション(使命)が違うのです。

独立後のあいさつで「賃貸管理の仕事をしたい思ってと独立しました」と言うと、
「なんで不動産で一番難儀な管理なんかするの?」
とよく言われます。

でも、10年前に『帽子の値段』と言っていた僕を、今は信頼してくれる家主さんがいます。
鹿児島市の賃貸市場は、毎年のように厳しくなっています。近所には完成後一戸も入居して
いない新築賃貸マンションすらあります。

「PM」という考え方で、ひとりでも多くの家主さんに安心して賃貸経営をしてもらいたい。
それが、僕が独立を決意した理由です。

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