2016年9月1日木曜日

5種類の家賃を知って賃貸経営を安定させる方法


賃貸で一番注目されるのはやっぱり家賃です。この実は家賃は5種類あるのですが、コニュニケーションの中でこの5種類の家賃を正確に使い分けられている人は残念ながら少数です。5種類の家賃を理解することで賃貸経営を安定させる方法をご紹介します。



賃貸ポータルサイトとかを見て、まずあなたが一番最初に目を向けるのが家賃ではないでしょうか?あなたが目にしている家賃は、『募集賃料』と言われる家賃です。

市場に出る家賃なので一番身近ですよね。でも、実は賃料には5種類もあるんですよ。

賃貸の現場でよくある話


僕達は、『賃料』をキーワードにオーナーさんやお客さん、または不動産会社同士でたくさん会話をします。

僕が管理担当の駆け出しだった頃、営業社員に賃料相場を質問したときの話です。

「この辺りの3DKの相場賃料はいくらくらい?」
「そうですね。7万円くらいじゃないですか?」

「この物件なんだけど、これも同じくらいで見てもいい?」
「はい。周りの物件も7万円で募集してますから、いいと思いますよ。」

「わかった。ありがとう。7万円で募集に出すから頑張ってね!」

でも、その物件は7万円で募集してから3ヶ月経っても全く決まる気配はありませんでした。

「7万円が相場って言ったのに、全然決まらないじゃん!」
「相場は7万円ですけど、3ヶ月以内に決まるんだったら6万5千円くらいじゃないと無理じゃないですか?他の7万円の物件も決まってませんよ。」

「そうなの?・・・・(泣)」

二人の会話のキーワード『相場賃料』ですが、営業担当の彼が言ってた『相場賃料』は募集賃料の相場で、僕が質問していた『相場賃料』は、成約賃料の相場だったのです。

5種類の家賃って?



ひと口に家賃といっても色々な種類の家賃があります。

こんな風に、お互いが別々の賃料を前提に話をしていたら、会話は成り立ってるように見えても全然違う結果になってしまいます。

それから僕は、賃貸の営業担当に相場賃料を聞くときは、
「もし、3ヶ月以内に決まるとしたら、相場はいくらくらい?」
と聞くようになりました。

さて、先ほど言った5種類の賃料とは?どんな賃料があるのでしょうか?

①計画賃料

事業計画上の賃料のこと。
これから賃貸マンションを建てる時の事業計画の中で想定された賃料。

②募集賃料

実際に募集をした賃料のこと。
その時々の事情で決められる賃料。

③成約賃料

実際に入居者と契約した賃料のこと。
値段交渉があったりすると募集賃料より下がる。

④実行賃料

空室期間やフリーレント、滞納賃料などの未回収損が生じた場合の損失分を差し引いて、実際の収入分を月額に割り戻した賃料。

⑤評価賃料

現在入居中だけど、退去をして再募集した場合の成約賃料のこと。
その物件の「現在の力(賃料)」を表す指標。

部屋探しのお客さんにとっては、②③しか目に触れることはないですが、あなたと我々不動産会社では、①④⑤の賃料もとっても大切です。

お互い、この5種類の賃料があることを共通認識として持ってから、打ち合わせをしないと過去の僕のような目に合うので気をつけてくださいね。

今の賃貸に不可欠なのは根拠ある「査定」


インターネットの登場によって、お客さんは不動産会社を訪れる前に、②の募集賃料をじっくり比較・検討してから来店するようになりました。

ますます、『賃料は相場で決まる!』世の中になってきています。相場より安く決まることはあっても、相場より高く決まることは有り得なくなりました。お客さんが賃貸ポータルサイトという『物差し』を手に入れたからです。

でも、一方あなたは、自分の賃貸マンションがどんな物件と比較・検討されているか知りません。なので、我々不動産会社が相場を見誤るといつまで経っても決まらないことになってしまいます。


大切なのは、なぜこの募集賃料なのか?根拠をもって提案できるか?ということです。

鹿児島出身の大起業家である稲森和夫氏も『値決めは経営だ』と言っているように、募集家賃を決めるということはとても大きな経営判断なのです。

あなたのお付き合いのある不動産会社は、根拠ある賃料査定の提案書を作成してくれますか?

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